ヘリコプターに関する疑問
AVATARに出てくる未来型ヘリ、オスプレイのプロペラ固定版のようなものはどうして実現されていないのか?ふと気になったので考えてみた。
まず、ヘリの種類を列挙する。
ヘリコプターに内在する中心課題の一つはプロペラの回転によって発生するトルクをどのようにうち消すのか、という問題。もっとも一般的なシングルローター式では、メインローターで揚力を発生させ、テールローターをトルク相殺に用いている。
・シングル・ローター式:もっとも一般的
・ツイン・ローター式
同軸反転ローター
タンデム・ローター:CH47
サイド・バイ・サイド・ローター:Mi-12、オスプレイ、AVATAR←
・マルチコプター:ドローンに用いられている3、4、6、8などのプロペラ数。
さて、AVATARで出てきた2翼型が機体に対し直角に並んでいるものは、サイドバイサイドローターと呼ばれる。安定性には定評があるとされるが、なぜ実現されないのか?そこを知るには、かつてソ連が開発したMi-12を見るのが手っ取り早いのかもしれない。
「要はでかくなる」ということになるのでないか。
2つ並べるという発想はタンデムローター式のCH-47でも同じであるが、これもまたでかい。最大収容人数55人というほどだ。オスプレイも同じく、でかい。
シングルローターでもでかいプロペラを使うが、それを2つぶつからないように並べるんだからでかくなるのも当然かと思う。これを横に並べたら、翼も必要になるし、横幅も増えるし、そりゃあソ連が作ったみたいに105トンにもなるさ。。
ということでサイドバイサイドはタンデム式に負けたわけなんじゃないか。
*比較
Mi-12:全長37m、回転翼長35m、105トン、積載量44トン
オスプレイ:全長17m、積載量27トン
CH-47:全長30m、回転翼長18m、22トン、積載量12.7トン
ちなみにドローンのマルチコプターは何故有人化できないのか?
これは駆動原理の違い、つまりドローンは電動でローター分散式、ヘリがヘリ燃料を用いた動力集中式であることが関わっている。
マルチコプターはプロペラそれぞれの回転数を別々のローターで制御することで、進行方向や速度を変えている。一方でヘリコプターは動力集中式であるためプロペラごとの回転数を制御することはできない。進行方向はメイン・テールローターの角度で、揚力はブレードの対地角度を変えることで変えている。
友人マルチコプターの実現には、ヘリコプターの電動化という壁が立ちはだかっている、という解釈で正しいだろうか。